「定年後の再雇用で、給料が月18万円(手取り15万円)に下がる」。 前回、この衝撃の事実をお伝えしました。
しかし、FP(ファイナンシャルプランナー)として改めて計算機を叩いているうちに、私はもう一つの致命的な見落としに気づいてしまいました。
「手取り15万? 甘い。6月からはもっと減るぞ」
サラリーマンを襲う最大の罠。それが「住民税の時限爆弾」です。 現役時代の年収が高い人ほど、その爆発力は破壊的です。年収750万だった私が、もし何の対策もせずに2026年の6月を迎えたらどうなるか。 背筋が凍るシミュレーション結果を共有します。

住民税は「忘れた頃にやってくる」後出しジャンケン
なぜ「6月」が怖いのか。 それは住民税の仕組みに理由があります。
サラリーマンの税金には2種類あります。
- 所得税:その月の給料に合わせて、リアルタイムで引かれる。(給料が下がれば、すぐ安くなる)
- 住民税:**「前年の年収」**に対して課税され、翌年の6月から引かれる。(給料が下がっても、1年間は安くならない!)
つまり、2026年4月に定年退職して給料が激減しても、2026年6月から2027年5月まで払う住民税は、「現役バリバリで稼いでいた2025年の年収」を基準に計算されるのです。
給料は「新入社員並み」なのに、税金だけは「部長クラス」。 これが「時限爆弾」の正体です。
【悲惨】手取り15万が、まさかの11万円台に…?
では、私の「リアルな数字」で計算してみます。 (心臓の弱い方はご注意ください)
- 2025年の年収(現役ラストイヤー): 約750万円
- ここから計算される住民税(概算): 年間 約40万〜45万円 ※控除額によりますが、月額にすると約35,000円〜40,000円です。
この高額な住民税が、再雇用後のなけなしの給料から容赦なく天引きされます。 2026年6月の給与明細を予想してみましょう。
- 額面給与: 182,000円
- 社会保険料(健康・厚生・雇用): 約27,000円
- 所得税: 約3,000円
- 住民税(時限爆弾): 約38,000円(推計)
182,000 - (27,000+3,000+38,000) = 114,000円
「11万4,000円」。 これが現実です。 前回「手取り15万」と嘆いていましたが、それはまだ住民税が引かれる前の「ぬか喜び」でした。 6月以降、私はこの金額で1年間、家賃(または生活費)を払い、食費を出し、生きていかなければなりません。
絶対にやってはいけない「退職金の取り崩し」
この事態に直面した時、多くの人がやってしまう間違いがあります。 「足りない分は、退職金で補填すればいいや」 これだけは、FPとして絶対にNGです。
退職金は「老後の最後の砦」です。 まだ体が動く60代のうちから、生活費の赤字補填で退職金を切り崩し始めたら、80代、90代で確実に破綻します。
現役で高給をもらっている今のうちに、「住民税専用のプール金」を作ってください。 私の場合、年間約45万円の住民税がかかります。 今の給料から毎月数万円ずつでも「納税用貯金」として別口座に退避させ、「6月以降の手取りは11万しかない」という前提でライフプランを組み直す必要があります。
6月の明細を見て卒倒しないために
「給料が下がったんだから、税金も考慮してよ!」 と言いたくなりますが、お役所は待ってくれません。
定年1年目は、「収入は激減、支出(税金)は高止まり」という、人生で最も資金繰りが苦しい「魔の期間」です。同世代の皆さん。 悪いことは言いません。今のうちに「去年の源泉徴収票」を見て、住民税がいくら引かれているか確認してください。 その金額が、来年、手取り15万の給料から引かれ続けるのです。今のうちに心の準備と、現金の準備をしておきましょう。 私は…とりあえず今夜のおかずを1品減らして、貯金に回します。
