画面を切り替えた瞬間、たった今考えていたことを忘れる
来月末に定年を迎え、時給1,300円の再雇用生活が始まる59歳。 日中、店舗を走り回ってクタクタになり、自宅に帰り着いてからが私の「本業(ブログ執筆)」のスタートです。
限られた体力と時間の中で、私はブログの執筆作業を極限までAI(ChatGPT)に依存しています。 しかし、ノートパソコンの小さな13インチの画面で作業をしていると、50代特有の恐ろしい現象に悩まされるようになりました。
それは「タブ切り替え記憶喪失」です。
ブラウザのタブでChatGPTを開き、AIが書いてくれた見事な文章やFP2級の知識を読み込む。 「よし、この言い回しをブログに使おう」と記憶し、WordPress(SWELL)の執筆画面のタブをクリックして切り替える。
その、わずかコンマ数秒。 画面が切り替わった瞬間に、「あれ……? 今、AIは何て言ってたっけ?」と、さっきまで脳内にあったはずの文章が、跡形もなく消え去っているのです。
再びChatGPTのタブに戻り、文章を確認して、またSWELLのタブへ戻る。 この無意味な反復横跳びを繰り返しているうちに、目はチカチカし、肩は凝り固まり、激しい自己嫌悪に陥ります。人間の脳、特に50代後半の脳のメモリ(一時記憶領域)は、私たちが思っている以上にポンコツなのです。

「1画面」という縛りが、思考のノイズを生んでいる
森博嗣さんのエッセイを読んでいると、物事を徹底的に論理的、かつ俯瞰的に捉える視点にハッとさせられます。 この「タブ切り替え記憶喪失」も、根性や気合の問題ではなく、純粋に「ハードウェアの環境構築ミス」という物理的な問題に過ぎません。
AIを「優秀な助手」として使いこなすためには、助手と「対面」しながら作業をする必要があります。 助手に資料を出させ、それをいちいち引き出しにしまってから(タブを隠してから)、自分のノートに書き写す。そんな非効率な仕事の仕方をする経営者はいません。
そこで私は、手取り11万円のサバイバル生活を前にして、あえて身銭を切る決断をしました。 「15.6インチのモバイルディスプレイ(サブモニター)」の購入です。

左脳にAI、右脳にSWELL。デュアルモニターがもたらす圧倒的没入感
Amazonで約15,000円。ケーブル1本でノートパソコンに繋がる、薄くて軽い持ち運び用のモニターです。 これをノートパソコンの横に並べた瞬間、私の執筆環境は劇的な進化を遂げました。
- 左の画面(サブモニター): 常にChatGPTを開きっぱなしにする。
- 右の画面(メインPC): WordPress(SWELL)の執筆画面を開きっぱなしにする。
たったこれだけです。 しかし、この「視線を横にズラすだけ」でAIの回答と自分の原稿を同時に見比べられる環境は、控えめに言って魔法でした。
AIが出してきたブログの構成案を左目で見ながら、右側のSWELLのエディタにサクサクと見出しを作っていく。 難解なFPの過去問の解説を左画面でAIに噛み砕かせながら、右画面で「つまりこういうことか」と自分の言葉で記事にまとめていく。
タブを切り替える際の「一瞬の記憶の途切れ(ノイズ)」が完全に消滅し、思考が途切れることなくキーボードを叩き続けられるようになりました。 体感として、1記事を書き上げるスピードは余裕で3倍に跳ね上がりました。

まとめ:時間を金で買い、老いをツールで補え
15,000円の出費。 5月からの「時給1,300円」という現実を考えると、約11時間以上も働かなければ稼げない大金です。
しかし、FPの資格を持つ人間として「投資対効果(ROI)」を論理的に計算すれば、これほど安い買い物はありません。 デュアルモニターのおかげで、毎晩のブログ執筆の時間が1時間短縮されたとします。1ヶ月で30時間。時給換算すれば、たった半月で元が取れてしまう計算です。
ガジェット(電子機器)は、若いYouTuberやITエンジニアだけのおもちゃではありません。 老眼が進み、記憶力が低下し、気力と体力が衰え始めた50代のオヤジが、なんとか最前線に食らいついていくための「現代の鎧(よろい)」なのです。
「ブログを書くのに時間がかかりすぎる」「画面が小さくて疲れる」 もしあなたがそう嘆いているなら、その原因はあなたの能力不足ではなく、単に画面の数が足りていないだけかもしれません。
飲み代を3回だけ我慢して、あなたの横に「AI専用の座席(サブモニター)」を用意してあげてください。 驚くほど快適な副業ライフが、そこから始まりますよ。
