出刃包丁は「はまぐり刃」が欠けにくい!研ぎ方のコツ解説!

寿司職人

今回の記事では「はまぐり刃」に関しての情報をお届けします。主にハマグリ刃にについてやハマグリ刃の研ぎ方などをご紹介します。

なお、ハマグリ刃の研ぎ方をすぐに見たい方は⇢こちらからジャンプできます。

こんな内容の記事です
  • はまぐり刃って何?
  • 包丁に関しての知識
  • ハマグリ刃に向いている包丁の種類
  • ハマグリ刃の研ぎ方について

はまぐり刃って何?

はまぐり刃というのは、切刃全体が緩やかな曲線になっていて刃先がやや鈍角にになっています。刃こぼれしにくく丈夫な刃先を作る研ぎ方です。

蛤刃(はまぐりば)とは刃物の断面形状のひとつ。刃物の鎬(しのぎ)と刃と先の間「切れ刃」が、あたかも蛤の貝がらのようなふくらみを持たせて研いであることをいう。平面的ではなく、ゆるやかな丸刃に研ぐことをさす。 また、木彫用の鑿などで刃先線を円弧状に研いだものもいう。その場合は一般に「鎌倉刃」という。強度を保つため刃先を鈍角に研がなければならない場合でも、断面がカーブを描いているため対象物との摩擦を軽減でき、また棟側が比較的薄いため対象物が刀身に貼り付きにくく、深く喰い込ませることができる。ただし、平らに研がれた刃よりも刃先は鈍角になるため、切れ味そのものは薄い刃より鈍くなる傾向にある。

引用元:ウィキペディア

 包丁の切れ味は大事!

包丁にとっての”切れ味”はたぶん一番大切なことです。切れない包丁での作業は、能率も下がりますし、変な力も加わり素材がつぶれたり、力を入れすぎて滑って…「手を切ったー!」なんてことになりかねません。また、「見た目」「鮮度」などにも影響を及ぼしてしまいます。

包丁の切れ味は、「刃先の硬さ」「刃先の角度」で決まります!

包丁の切れ味とは?

  • 刃先が硬い→→→切れ味が良い、刃こぼれしやすい
  • 刃先が柔らかい→→→切れ味が悪い、刃こぼれしにくい
  • 刃先の角度が小さい→→→切れ味が良い、硬いものが切れない
  • 刃先の角度が大きい→→→切れ味が悪い、硬いものが切れる

包丁の製造方法の違い

和包丁には製造方法の違いから「本焼き」と「霞焼き」の2種類があります。

  • 「本焼き」⇢鋼の無垢で作られていて、刃先にだけ焼き入れをして、みねには鋼の粘りを残してあります。製法が難しくとても高価です。
  • 「霞焼き」⇢・一般に「合わせ」と言われています。日本古来の製法で、鉄と鋼を鍛錬してくっつけ、焼き入れをしたもので、焼き入れをしても粘りがある鉄を本体としているので折れにくく、鋼の刃先は硬度があり、それぞれの特徴が生かされた作りかたです。
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注意するポイント

この製造法の違いで「研ぎ方」について注意するポイントがあります。それは「霞焼き包丁」の場合は「裏面」研ぎすぎてしまうと、「鋼(硬い鉄)」が無くなってしまい、軟鉄が表面に現れてしまい、結果、切れなくなってしまいます。

刺身包丁はハマグリ刃にはしてはダメ!

刺身包丁は基本的にハマグリ刃にしてはいけません。より刃先の角度が小さいものを使用します。基本的に柔らかいものを切るので、切れ味が悪くなることはあるはずないのですが、この切れ味を悪くするのは「まな板」です。

最近では「抗菌まな板」を使用することが多くなってきていますが、これは硬いのです。昔は「ひのき」などの木製を使用していましたが、切れ目に雑菌が残りやすくメンテナンスが大変なので、この抗菌まな板を使用することが多くなっています。

刺身包丁の研ぎ方としては「しのぎ」の部分をぴったりと砥石面に合わせて研ぐという普通の研ぎ方です。

出刃包丁をハマグリ刃にする研ぎ方

「切り身」「アラたたき」に使用する「出刃包丁」は、刃先の角度は大きめでさらに「はまぐり刃」にします。特に「アラたたき」に関してはより刃先の角度を鈍角にした専用の出刃包丁を用意するのがベストです。

出刃包丁の研ぎ方は、刺身包丁に比べ、刃先はやや鈍角です。鈍角になれば切れ味が落ちますが、ハマグリ刃にすることで一定の切れ味を保つことができます。

切刃中央に厚みをもたせ強度を高めています。(下図がはまぐり刃です)

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ハマグリ刃の研ぎ方の例

刃先を落とす

荒砥石や中砥石を使ってやや「しのぎ部分」を浮かせ気味に研ぐ。(刃先が鈍角気味)刃先の方を押さえながら研ぐ。

しのぎ部分を落とす

切刃の中間の出っ張りを落としていく。ややしのぎ部分を押さえながら研ぐ。

さらに刃先に近い部分を落とす

②で落とした部分とは先の中間を落とす。

仕上げる

中砥石、仕上げ砥石で滑らかになるように仕上げる。刃先に近いところを研ぐ際は、包丁を押す時に「5回に一回くらい砥石から包丁が離れる瞬間包丁を立て気味にする」のがポイント。裏面も整えて完成。

 まとめ

包丁は、切る素材よって刃先の角度を変える必要があります。刺身など骨がない素材を切るときには「鋭角」な刃先で、骨などの硬い素材を切るときには「鈍角」は刃先にする必要があります。

さらに鈍角な刃先でもより切れるようにするためには「ハマグリ刃」にするのがベストです。

基本的に

  • 出刃包丁⇢ハマグリ刃
  • 刺身包丁⇢通常の刃先

なのですが、人によっては刺身包丁もハマグリ刃にする人もいらっしゃるようです。この辺はお好みで。

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この記事を書いた人

おむすび。

「オヤジを楽しむ!」みたいなブログを書いています。50歳を越えると、色々考え方が狭まって、なおかつ、より現実を考えるようになります。最近では「これからの生き方」についてフォーカスした呟き中心となるでしょう。ブログ⇒WordPressに引越しました!